個人事業主から法人にしたばかりのひと向けの経理メモ。
自分はどうしても1度は一通りやってみたいタイプの人間なので、1年目は全部自分で決算から申告まで済ませました。その際に役に立った本と読み方などをまとめます。
必要な情報はだいたい以下のように分けられると思います。
- 基礎知識
- 実務手順(日常〜決算)
- 申告書作成手順
- 経理ソフト
- その他補足
基礎知識
この本は10章立てになっていて、図解でわかりやすいです。
最初は『1章:法人税入門』、『2章税額経産と申告』の2章分にまず目を通せばいいとおもいます。残りの章は個別の経理処理上のポイントになるので、必要な時に調べる感じで使うとよいと思います。
個人事業の延長で法人になったような規模の場合、特殊支配同族会社に認定されるかどうかが分かれ目になると思います。あとは接待が多い人は、その処理方法なんかも知っておいた方がよいと思います。
(追記)上の本は古いのでこちらをおすすめ。
日常の実務手順
これは経理担当者の日常業務の指針になりそうな本で、非常に良い本だと思います。
この本のポイントは、『日常の経理処理』、『月次経理処理』、『年次決算作業』、『税額計算(申告書)』と、それぞれのシチュエーションで実務手順がまとめられているところです。なんか前述の本が辞書なら、こっちは教科書っぽい感じです。
(追記)上記の本が難しい場合は、これが平易で良いと思います。
ポイントになるのは、損益計算書と申告書、申告書と各種別表との関係を理解できるかということです。一応、この本の知識と、実際の別表の注意書きをみていけば、申告書作成までできましたが、多少頭を悩ませたところではあります。(私の場合、決算処理は理解と作業あわせて1日だったのに対して、理解に2日、記述に1日かかってしまった)
そこで、同じシリーズで、申告書作成に絞った本。これ手元に置いておけば、2日損しなかったのになぁ、と思った、良書です。というか、他に替えがない感じの本だと思います。
経理ソフト
本じゃないのですけど、やはり会計ソフトは重要だと思います。日常的に使うものなのと、多少知識が曖昧でも仕分けが出きるので最初からまともなのを購入したほうが結果的にお得です。それになんかみんな使ってるし。
とかいいつつ、実は私は『弥生』ではなくて『JDL出納帳』というやつを使っているのですが、6万くらいするのでちょっと高いかもです。基本的にソフト選び方としては、将来的に頼むであろう会計事務所と同じシリーズに合わせるのが理想だと思います。そうしておくと、操作方法がわからない場合話をあわせやすいのと、データ交換機能があったりするので便利です。私の場合、以前出入りしていた会計事務所がJDLだったので合わせました。別に処理依頼してるわけじゃないんだけど、会計士が選ぶんだから間違いないかな、という理由で。
売掛・請求処理などが煩雑にある業務の場合など、それらしい帳票フォーマットで出力できる点でもかなり便利だと思います。決算書とかの資料も印刷できますしね。
勘定科目と仕訳
人によっては必須になるかもしれない本です。私は個人事業の際にある程度覚えてしまったのであまり使いませんでしたが、仕訳そのものが良くわからないといった場合には力を発揮すると思います、辞書的な意味で。
(追記)上記の本は、個人事業主でも使えるようになってます。
決算書の作り方
これは決算書を綺麗に見せる方法ですね。別に申告できればいいや、という人にはいらないけど、そんな人はいないはず。
決算書にはいくつかのチェックすべき数字というのがあって、それによって将来の業務拡張時の資金調達に影響が出ます。数字をどう計上するかというのは幅がでてくるものなのですが、その辺をどう調整するかを考える必要はあるでしょう。
裁量に左右される数字はたくさんあります。
節税方法
節税は基本的に以下の方法があります。
- 利用できる控除を意識しておく
- 小規模の法人に有利なものが結構あります
- 少額償却
- 消費税免税事業者
- 特殊支配同族会社に該当しないための施策
- 利子、配当益は税金とられた後の額なので、控除対象であることを忘れない
- 費用計上を漏れなく行う
- 登記の際にかかった費用
- 事務所費用
- 自宅の役員社宅化、または、個人と法人との間で賃貸契約を結ぶことで、家賃の一部を費用化
まとめ
いろいろめんどくさいですが、1度やると仕組みが体感できるので、本業に支障が出ない程度に時間を取ると、結構良い勉強になると思います。
でも最終的には税理士とかに頼むのが楽なんで、1度やって理解したらあとは誰かに任せるのが得策です。とくに経営面の相談も受けられるのが大きいんじゃないかと思います。